ドラマや映画化もされ、累計売上4300万を記録している名作「静かなるドン」がドラマCD化!ということでスタッフも並々ならぬ気迫で取り組みました。
本作は、プロデューサー、ディレクター、脚本家、その他音響スタッフも全て"女性"のみで作成いたしました。女性が送る女性のための任侠ドラマです!
「静かなるドン」はタイトルは知っていても、内容を詳しく知らない、という方も多いと思います。あらすじは、下着会社で働く冴えないサラリーマン近藤静也は、関東最大の暴力団"新鮮組"の総長である父親が突然殺されたことにより、三代目総長として後を継ぐことになって…、という任侠ドラマです。
今回は映画やドラマにも劣らぬ豪華キャストでお送りいたします!
収録は、まず本作内でもコメディ色の強い新鮮組の幹部達からスタートしました。
静也の片腕的存在の鳴戸を平田さん、用心棒猪首を森川さん、静也の三代目襲名を快く思っていない生倉と肘方を藤原さんと中田さんにお願いいたしました。
収録開始前にスタジオのロビーに集まった皆さまが「キャラクター絵を確認したい」とのことで原作本を広げ説明させていただきました。
鳴戸の初登場シーンで服装のインパクトが強すぎて顔が覚えられない!と平田さん。猪首が予想以上に逞しく演技プランに迷いが生じた…と森川さん。と、愉快な始まりになりました。
テストでは、森川さんの猪首はイケメン風で演じていただきました。ディレターの「OKです」の声に笑いが零れてしまっておりましたが。
鳴戸役の平田さんも静也を支える大人の魅力をかっこよく演じてくださいました。文句なしに鳴戸です。
また、朝一の収録なのにテンション高めに演じてくださったのが生倉役の藤原さんと肘方役の中田さん。しかし、やはり独特のドスを利かせた言い回しにすると若干声質が似通ってしまうたま藤原さんには数パターン演じていただきました。
キャラクターが固まったところで本番です。
始終生倉と肘方は言い争いをしているので、テンション高めの演技を藤原さんと中田さんにお願いすることになりました。ですが、お二人とも所々でアドリブを沢山入れてくださり、よりキャラクターが濃いいモノになりました。あまりにも面白いやり取りにスタッフは笑いが止まらず、ブース内でも笑いをこらえるのが大変だったそうです。ですが、藤原さんはキャラクターに関して頭を捻りながら「違うなぁ…」と何度も演じてくださったり、中田さんも「もう一度やり直していいですか」と自らリテイクを申し出てくださったりと、細かいところまで納得のいく演技をしてくださいました。
また、そんな笑いの中でも、鳴戸役の平田さんと猪首役の森川さんは始終かっこよく貫禄を感じるずっしりとした安定感で演じてくださいました。生倉と肘方が暴走しがちなのを抑える器量の大きい男を感じさせる平田さんの演技には本当に鳴戸に惚れそうになります。また、森川さん演じる猪首は言葉数は少ないながらも総長を支える強く頼れる男を表現してくださいました。
あまりのアドリブの嵐に、笑いをこらえるのが大変だったと皆さまが口を揃えておっしゃっていた収録でしたが、最後のシーンはみなカッコよく決めてくださいました。
また、森川さんには急遽もう一役をお願いいたしました。
今までのかっこよい猪首とは打って変わって弾けたキャラクタになりました。是非探してみてくださいね★
始終テンションが高かった収録、写真撮影の際も中田さん藤原さんにカメラを向けると「これでいいですか?」と、手に持つものが…。藤原さんも「じゃあ…」っと台本が…。その後、森川さんと平田さんの撮影に。森川さんがキョロキョロを何か探している様子。そして目当ての物を見つけたらしく、手に取ろうとしていらしたので「中田さんもやってましたよ」とお伝えすると「考えることは一緒だ(笑)」とおっしゃってました。カメラを向けると「ヤクザっぽい顔した方がいいですよね」と平田さん。森川さんも乗ってお二人で渾身の"極道顔"をしてくださいました。
続いて本線の収録です。静也中心に物語の本筋を収録しました。
収録がスタートする前に、ブース内では原作を読んで自分のキャラクターを確認していらしたり、中村さんはスタッフに登場人物の名前を確認しておりました。
近藤静也はサラリーマンの顔と極道のドンの顔を持つ男性です。夜は白いダブルのスーツにサングラスをしてドンらしい風格を出しているのですが、今回はドラマCDなので視覚的に伝わりません。中村さんには昼の静也と夜の静也で声を変えて演じていただきました。
まずはテストから。中村さんは、昼の静也は声も高めに頼りなくさえないやさ男風に演じてくださいました。
そんな静也が憧れる女性、秋野を早見さんに演じていただきました。早見さんの実年齢のよりも年上の女性ですが違和感もなく可愛らしく演じてくださいました。
また、スタジオを唸らせたのが静也の母親である近藤妙を演じた勝生さん。もとより原作のファンだったとのことですが、こんなにピッタリな妙はない!というくらい原作通りでした。
皆さまの演技プランに特に変更もなく、細かな指示のみして本番スタート。
スムーズなスタートになりました。
静也と秋野のお昼ご飯を何食べるか相談するシーンでは中村さんのアドリブがキラリと光ります。
妙と静也のシリアスなシーンでは、声のトーンや演技はさえない昼の静也なのですが、迫力満点の勝生さんの妙と対等で話す静也に、内なる強さを感じさせる演技を聞かせてくださいました。
また、夜の静也がふと出てきてしまうシーンは、だんだんと声が昼→夜へと変わっていくような演技を、という指示に中村さんは流石!と言える演技を見せてくださいました。それ以外でも昼の静也と夜の静也を咳払いひとつで声を変えてしまうのは流石です!
静也の父を殺した長州会の会長を浜田賢二さん、側近の大野を楠大典さんに演じていただきました。浜田さんにはテストより若干年齢を上げていただき新鮮組の報復に怯える会長を演じていただきました。側近の大野は常に落ち着いた感じで、楠さんにかっこよく演じていただきました。二人のやり取りもとても面白く、浜田さんの弾けっぷりに、合間に楠さんが「本当組長かよ!」とツッコミを入れておりました。
また、新鮮組が150人ほど集まって雄叫びをあげるシーンのガヤ撮りでは、男性だけで6名ほどだったので一回まわしでは人数的に迫力がなく、それぞれキャラを変えてもう一回お願いしたところ、楠さんから「30回まわしで150人分になる」と提案が…。さすがに30回も撮れませんでしたが、男性の皆さまには何回か種類の違った雄叫びをあげていただきました。
後半は、銀座クラブのホステス理江が出てきます。理江役の朴さんは、とても可愛らしく色気ばつぐんでした。銀座No.1ですが、気取っていなく女性から見ても納得の美人の女性になりました。
また、理江にまとわりつく野口役の大原崇さんは素晴らしいストーカー演技を聞かせてくださり好演でした!
そんな理江、野口、秋野、静也を巡って事件が起こります。
静也が自分の中の凶暴な血を抑えきれず暴走してしまうシーンでは、中村さんの迫真の演技に息をのんでしまいます。
戦闘シーンでは、静也一人対チンピラ3人で戦います。何度か撮り直しをしながら臨場感あふれる戦闘シーンになりました。みなさん、マイクの前に直立しているのに激しく動き回っているかのように思えます。
そんな戦闘後も暴走する気持ちを抑えられない静也を、中村さんは一言一言に込めて表現してくださいました。
静也と秋野のやりとりも聴きどころです!
そして付きまとってくる野口から逃れるために静也が理江に提案した「ヘーワ的解決法」は、朴さんの可愛らしい演技をしていただきました。あまりにもブリッコ過ぎたのが朴さん本人が「ぶはぁ気持ち悪い(笑)」と笑いだしてしまったり。とっても可愛かったですよ!
その可愛い理江にメロメロの野口は大原さんが本当にいい演技をしてくださいました。ここは聴きどころです!
流石の人気な原作なだけあって、キャラクターが個性的な上に出演の皆さまが細かいところで遊びをきかせてくださったので、よりキャラクターに色がついたと思います。
今回の収録で、中村さんと中田さんは原作をご購入されてハマりました、と。勝生さんはもとからファンだったなど。みなに愛されている原作だということが分かります。
また、今回は数名の方に別役をお願いしておりますが、皆さま分かりますでしょうか?森川さん、勝生さんの別役はスタッフも驚きました。まさかこんな風に来るとは…!と。浜田さんや楠さんも別役を演じてくださってます。全部聴き分けできるでしょうか?
是非何度でも聴いてほしい作品になりそうです!