今作は剛しいら先生原作による、落語界が舞台のボーイズラブ作品となります。
初助の噺に魅了され山九亭の門をくぐった要は、
初助の落語を通して、噺家は一生涯の全てを芸の肥やしにするものだと学ぶ。
兄弟子・寒也との出会い、初助の人生を通した情愛、別れ…。
全ての事柄にときには揺れ動かされ、芸の肥やしとして消化し成長していく要を中心したお話となっております。
今作では先生が兼ねてより御所望だったキャストを実現させていただきました!
また収録には、落語指導として落語家さんに足を運んでいただきました。
収録の前に行われるご挨拶の際、落語家さんを紹介した途端、キャストの皆様の張り詰めていた空気が一気に緩み、
「ちょっと安心しました」と神谷さんが安堵の笑みを漏らされる場面も。
事前に落語の音源をお渡ししておりましたが、やはり出演者の皆様の一番の不安は落語シーンだったようで、
大変恐縮しつつも空気が若干柔らかくなったところで、収録はスタートいたしました。
落語は収録終りにまとめて録る、という形にし、最初はドラマシーンを録音していきます。
通常のドラマシーンは演技プランの確認が多めにあったとはいえ、比較的スムーズに終わることが出来ました。
続いて要となる落語のシーン。アフレコブース内へ落語さんに入って頂き、実際に噺を披露していただきます。
その後、声優さんに喋り口調や発音を真似ていただき、
都度都度、落語家さんにご指導をいただきながら、本番へと臨みました。
落語を初めたばかりの落語家が陥りやすいミスについて等のお話を聞く機会を得て、
演じるキャラクターによって初心者っぽさ・ベテランの喋り口調など特徴をつけておりますので、
皆さんの落語シーンは作品内にてお楽しみいただければ、と思います。
この日の収録では落語シーンが多かった勝平さんを見て、「寒也でよかった」と神谷さんがこぼされ、
現場の笑いをさそっておりました。
またディレクターさんの指示を受けるたび原作本を取り出して、前後の台詞の流れから演技の方向性を確認するお姿や、
何度も録り直しのお申し出をいただく姿に、皆様の演技に対する真摯さを伺う事ができ、大変感銘を受けた収録となりました。
今回は残念ながらスケジュールの都合が合わず、三木さんは後日別録りということでスケジュールを組んでおりましたが、
そのお話が決まった際に ”師匠の演技を受けて要を演じたい” と山口さん自らのお申し出をいただき、
初助と要のシーンは掛け合いで録り直しております。
その分、師弟会話にはぐっと篤さを感じていただくことができるかと思いますので、
是非是非お聞きいただきたいです!
初助は要以上に落語のシーンが多く、三木さんは四苦八苦されておりましたが、
短時間で落語家さんの喋り口調の特徴をとらえ、初助としての落語を演じられる三木さんの様子には、
落語家さんも「こんなに短時間で喋りを覚えられるなんて、声優さんって本当に凄いですね」と、
しきりに感心されておりました。
また、そんな落語シーンの多い三木さんを見て、「要でよかった」と前回収録時の神谷さんに重ねて
山口さんがこぼされた言葉に、現場はまた笑いに包まれました。
お三人には落語に加え、”どどいつ”を歌っていただいております。
こちらのご指導は、原作者である剛先生にご活躍していただきました。本当にありがとうございました!
初回封入特典のフリートークCDでは、落語を演じた際の感想を皆様にじっくりと語っていただいております。
また今回は本編のドラマを集中して聴いていただきたい思いから、本編の巻末に収録予定のキャストコメントを
別CDとなるフリートークCDに収録させていただきました。
本編の余韻から切り離された後に、皆さんのタイミングでお聞き下さい。
先生から大絶賛のお言葉をいただき、
出演者の皆様にも「出来上がりが楽しみです!」とのお言葉をいただいた本作、
皆様のお手元に届くまでもうしばらくお待ちください。
えーっ、お後がよろしいようで。
お目通しありがとうございました。