宮沢賢治名作選集も今回で三作目となりました。
今までは朗読としてお送りしていた作品を、今回はドラマという形で、
幻想的な『銀河鉄道の夜』の世界観を多数の出演者に彩っていただきました。
とても有名な作品ですので、出演者の皆様も作品を熟知されており、
またこれを機会に再度原作を読み込まれた方もいらっしゃったようです。
そのため役作りはほぼ固まっており、テストは一発オーケー。
皆様が組み立てられたキャラクターに修正が入る事はほとんどなく、
図らずも台本を読んで出演者の皆様が感じ取られたままに演じていただく事となりました。
今回、石田さんには感情を素直に出す無邪気なジョバンニを演じて頂いております。
石田さんは原作を読まれた上で収録に臨まれたそうで、
休憩中には脚本内の台詞について、”こうした方が原作に沿っているのでは?”とご提案されるという場面も。
また巻末のキャストコメントでは『銀河鉄道の夜』に対する思いを熱く語って頂きました! ご期待下さい。
ジョバンニと一緒に旅をする同級生のカムパネルラ役・神谷さんは、
場面ごとに表情を変えるカムパネルラを本当に細やかに演じ分けて下さりました。
場面ごとに変わる細やかな機微は、神谷さんが練られた演技プランそのままとなっておりますので、
耳を澄ましてご拝聴いただければ、と思います。
銀河鉄道の中でジョバンニとカムパネルラが序盤に出会うキャラクター。
大川さん演じる燈台守役は二人の旅路を優しくサポートし、見守る役どころです。
また大川さんにはカムパネルラの父親役も兼ねていただいておりますので、こちらもお楽しみに!
楠見さんは、豪胆で陽気な寂しがり屋の鳥獲りに愛嬌を加えて下さりました!
登場シーンのくしゃみの勢いには、スタッフや出演者の方も思わず笑いを堪えるほどの存在感!
また、物語の途中から乗車するタダシ・かほる・家庭教師の三人は、
緒方さん、桑島さん、小野さんに演じて頂いております。
悲しい出来事にも挫けず弟のタダシを律するかほるは、ジョバンニの成長の一端を担う役でもあります。
桑島さんにはお姉さんらしい優しさ、12才の可愛らしさと凛とした強さを演じて頂きました。
また桑島さんにはジョバンニの同級生の男の子・マルソと女性教師という、
かほるとはまた違ったキャラクターを演じて頂いておりますので、こちらもお聞き逃しなく!
緒方さんは幼いタダシを活発に演じて下さりました。
旅路にはしゃぐタダシの演技は、シリアスなシーンの中でも癒しとなっております♪
小野さんにはタダシとかほるに付き添う青年家庭教師役の他に、ザネリと大学士を演じて頂きました。
それぞれの年齢に幅があるため、50代という設定の大学士には手こずられていましたが、
ディレクターさんの「演じ甲斐があるでしょ」と言う言葉には笑顔で「はい」と答えられていました。
ナレーションの野島さんは落ち着いた優しいトーンで、作品の世界観を暖かく包み込んでくれます。
作品のベースを飾るにぴったりなナレーションとなっておりますので、是非こちらでも癒されて下さい。
作品に対するそれぞれの思い・演じるに当たっての心境などは上記にいただいたコメントや、
本編の巻末に収録されているキャストコメントでも語っていただきました!
寒い日にホッとできる1枚となっております。お楽しみに!